今年度よりインフルエンザ経鼻ワクチン「フルミスト®」の接種を開始いたします。
「フルミスト®」は日本初となる鼻の中に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。
2003年にアメリカで承認され、2011年にはヨーロッパで承認されました。
欧米では広く接種されており、安全性・有効性ともに確立されたワクチンです。
感染防御効果
皮下注射によるインフルエンザワクチンは、血液中にインフルエンザウイルスに対する免疫を誘導するために、重症化抑制効果は期待できるものの、感染自体を防御する効果は十分でない場合があります。
一方でフルミストは粘膜の表面に直接免疫を成立させ、気道分泌型IgA抗体を誘導することにより、従来の皮下注射のワクチンに比べて予防効果が高い(特にこどもにおいて)と言われています。
また、皮下注射のワクチンはワクチン株が流行しているインフルエンザワクチンと株が異なる場合は効果を発揮できませんが、フルミストは生きたウイルスで免疫を作るため、流行しているインフルエンザと株が違っても発症を軽症化させる作用があります。
CDCガイドラインでは接種後2週間でワクチンの効果が得られるとされています。
左右それぞれの鼻へワクチンをスプレーします。
従来の皮下接種ワクチンとは異なり、針を使わないので痛みは感じません。
また効果の持続も皮下注射によるワクチンより長く、皮下注射の効果が約5か月間持続するのに対し、フルミストでは約1年効果が持続するとされています。
皮下接種ワクチンで2回接種の対象の方にとっては、「フルミスト®」は1回の通院で済みます。
注射の苦手なお子さんにはお勧めです。
【接種について】
予約開始日:2024年9月23日(月)9:00~ Webでの予約のみ
接種開始日:2024年10月16日(水)
接種対象者:2歳〜19歳未満
接種回数:1回
料金:8800円
来院時に予診票が記入済みの方は8,000円 (税込)になります。
《 予診票はダウンロードして、A4サイズでプリントアウトしてお持ちください☺︎ 》
接種に関して注意が必要な方
激しく泣くお子さんの場合、鼻水も大量に出るので、経鼻ワクチンの有効性が低下します。
鼻へ噴射中に、頭や顔を大きく動かしたり、直後に鼻をかんだりすると十分に効果が期待できない事があります。
再度の接種はいたしませんので、自分のお子さんが受けられるかどうかを良く検討して、ご予約をお願い致します。接種当日に皮下接種ワクチンへの変更はいたしかねます。
ワクチン接種ができない人
2歳未満、19歳以上の方
卵白やその他のワクチン成分に対して重度のアレルギーやアナフィラキシーの既往がある方
アスピリン服用中の方
免疫を低下させる疾患やステロイド・免疫抑制剤の内服により免疫が著しく低下している方、または免疫力が著しく低下している人と同居している方
明らかな熱(37.5度以上)がある方
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
妊娠していることが明らかな方
重度の喘息を持っている方
フルミストの副反応
ワクチン接種後にくしゃみが出たり、喉に垂れたりすることがあります(飲み込んでも特に問題ありません)。
30~40%の人で接種後3日~7日までに鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳などの感冒症状が、数%の人で発熱が出ることがあります。
まれではありますが発疹、じんましんの他にアナフィラキシーショックやギランバレー症候群のような重い副反応を起こす可能性は、他のワクチン同様否定できません。
フルミストのメリット
鼻腔内に噴霧に適した濃度・成分調整された薬液を噴霧するため痛くありません。
インフルエンザの感染経路である鼻咽頭で免疫が作られるため、高い発症予防効果が得られます。
予防接種のインフルエンザ株と異なる株が流行した際にも、皮下注射のワクチンと異なりワクチンの効果が期待できます。
ワクチンの効果は1年くらい持続します。
小児で特に予防効果が高いとされています。
12歳以下のお子様でも年1回の接種でよいとされています。
フルミストのデメリット
30~40%の人で接種後3日~7日までに鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳などの感冒症状が出ることがあります。
接種年齢に制限があります。
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